宮沢りえの魅力全開。テレビドラマ『グーグーだって猫である』

このドラマは宮沢りえのために作られた。そして私も魅せられた。

撮影当時の彼女は40歳くらい。
その可愛さ、美しさ、たたずまい、声。
そしてエレガントな演技。

原作は大島弓子のエッセイ漫画『グーグーだって猫である』。
ですが、同じなのは登場人物が漫画家でグーグーという猫が登場することだけ。
ドラマでは主役(作者)の名前が小島麻子にかえられています。
(原作では大島弓子本人)。

つまりこのドラマの主人公は、宮沢りえ演じる架空の人物ですよ、ということ。

その宮沢りえがふんわりヘアー、ゆったりファッション、ほんわかムードに身を包み、色彩豊かな井の頭公園を浮遊します。足取り軽く、ゆるゆると。

私はこのドラマを見ていて「おや」と思いました。
私の家の近所にも公園があって散歩をします。最近は走る人が多くなりました。新型コロナのせいもあって健康のためでしょうか。
走っていなくても、ウォーキングをしている人が多いのです。

散歩とウォーキングは別物だ、ということに気づかされた。

ウォーキングをする人も私を追い越していきます。走っている人と同じように。

そういえばかなり前、みょーな歩き方を提唱して、いっせいを風靡した人がいました。美容に良いとかいって。
みずからを侯爵(Duke)と名乗っていた人、懐かしいなぁ。
今は、医者が口を揃えて毎日8000歩、あるいは10000歩けと高齢者の尻を叩きます。
若者だって大げさに腕を振りながら、大股歩きで私を追い越していきます。
私だって負けていませんよ。速足で歩き、ぜーぜーいいながら帰宅してスマホのアプリをチェック。「よし、目標達成」で、にんまり。

いつのまにか私の散歩はウォーキングになっていたのです。
散歩は、健康や美容のためにするのか?
違うんじゃないかな、と宮沢りえが言います。

彼女が浮遊する公園では走っていたり、大股で歩いている人がほとんどいません。いても遠くをゆき過ぎるだけ。
私の近所の公園とは全然違うのです。

腕を振って、速足で歩くのは健康的。でも、最近の私はリラックスしていたのかなぁ。木々や池の緑を見ていたっけ。空や雲は。
上を見ながらウォーキングをする人はいません。

このテレビドラマは宮沢りえへのラブレターだ。

若い頃はメチャクチャ可愛くてピチピチ。そんな印象が、ずっと私の中に住み続けていたました。
いつのまにか私をメロメロに魅了する女優になっていたんですね、宮沢りえ。

私はテレビドラマを観てから原作の角川文庫1~6を読みました。原作の漫画では作者の大島弓子が語り手となり、グーグーをはじめ、たくさんの猫とのかかわりを描いています。
井の頭公園という異世界を浮遊してはいません。
自分と猫の命を直視したリアルな現実を描いています。

宮沢りえ主演の『グーグーだって猫である』は、犬童一心監督が創作した、まったく別物の作品世界です。

漫画家、大島弓子へのファンレターであり。
女優、宮沢りえへのラブレターです。

心が疲れた時に見返したいドラマが、また一つ増えました。

宮沢りえ主演『グーグーだって猫である』は
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