アルコール依存症にならない。そのためには、早い段階での自覚が必要だ。

外出を自粛する期間中、アルコールを呑む量が増えませんでしたか?
それまで家と会社を往復していたのがテレワークになり、仕事を終えたら即家呑みに突入。それを繰り返すうちにアルコールの量が増えた…。

通勤しないので肉体的には楽。だけど頭を使ったので疲労感はある。それをやわらげるためにアルコールに手を出す。これはアルコール依存症に陥る典型的なパターンです。
さらにはアルコールがないと眠れない。睡眠薬がわりに呑む。そうなったら危険エリアに足を踏み入れた、といっていいでしょう。

依存症の初期段階にいるアナタに、私がアドバイスできることは2つあります。
一つは、家で呑み始める時間を決める。
たとえば夕方5時以降と決めたらそれを守る。仕事が早く終わったからといって家でテレビを観ながら呑むと、最初は良心がとがめても、しだい麻痺して当たり前になってしまう。すると休みの日は、朝から呑むことも躊躇しなくなります。

二つ目は、その日呑む量をあらかじめ決めておく。
今日はビール2本までと決めたらそれを守る。アルコールがまわって気持ちよくなると、もう少し、あともう少しという気持ちが先に立ちます。それはたいがいの人が同じでしょう。
しかしそこで欲望の鍵をはずすか、はずさないかで依存症という病気の扉が開いたり閉まったりするのです。
「次があるから」とスルーできる人はアルコール依存症だけでなく、他の依存症にも陥らない人です。

以上の2点は、アルコールを呑まないひと、あるいは依存症とは無関係の人にとっては「なんだ、そんな簡単なことか」と思われるでしょう。
しかし依存症の初期段階の人にとって、呑みたい欲求をこらえるのは容易ではありません。

呑んで美味しいもの、自分を気持ちよく酔わせてくれるものが目の前にあるのに、コンビニやスーパーで簡単に、安価で手に入るのに我慢しなければならないのです。

しかしだからこそ、早い段階での『小さな誘惑』を我慢すべきです。そうすれば重度のアルコール依存症に陥って健康を失ったり、二日酔いで仕事をすっぽかして首になったり、酔って乱暴を働いて家庭内暴力、はたまた路上で喧嘩して警察沙汰、あげくは刑務所へ、などといったことを未然に防ぐことができます。

重症化すればするほどアルコールの誘惑は巨大化し、離脱症状に苦しむことになります。やめようと決心しても、ちょっとやそっとではやめられません。

もちろん本人の遺伝子や体質、環境の変化など様々な要因によって依存症になる、ならないがあるでしょう。未来のことは誰にもわかりません。

ただ、在宅ワークを機会にアルコールの量が増えたなと思ったら、アルコール依存症という病気のことを頭のどこかに置いておくべきです。
もしかしたら自分も、という早い段階での自覚が、アナタの人生を守ると私は思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする